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●共同通信 2020/5/15 21:08 (JST)5/15 23:25 (JST)updated
「桜」巡り首相らの告発状提出へ
全国の弁護士ら500人以上

https://this.kiji.is/633999992638440545


 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡り、2018年4月開催の前夜に後援会が東京都内のホテルで開いた夕食会で、参加した有権者に飲食代を提供したとして、全国の弁護士や法学者が21日にも、公選法違反(寄付行為)などの疑いで首相と後援会幹部の計3人の告発状を東京地検特捜部に提出することが分かった。15日、関係者が明らかにした。

 宮城県の弁護士有志が1月、桜を見る会問題を追及する会を結成。同様の動きは全国に広がり、告発人は弁護士、法学者ら500人以上となる見込みだ。首相は国会答弁で「(会費は)ホテル側が設定した」と説明、支援者への利益供与を否定している。







  ●BS-TBS「報道1930」
  【15日㈮#報道1930】
  『検察庁法改正案…伝説の検察OBらの警告「検察はいま、倒れる瀬戸際にある」』
  ▽問題の本質は何か?▽官邸はなぜ、いま強行するのか
  ◎ゲスト #
  熊勝彦(元特捜部長) 山尾志桜里(衆院議員) 泉田裕彦(自民党)
  竹田昌弘(共同通信)


  元東京地検特捜部長 熊崎勝彦氏。
  在籍時には政官財界を巻き込んだ贈収賄事件(リクルート事件)
  金丸信元自民党副総裁の巨額脱税
  大手銀行・証券会社による総会屋への利益供与
  大蔵省汚職などの特殊重大事件を手がけた。

   
  リクルート事件とは、1988年(昭和63年)6月18日に発覚した日本の贈収賄事件である。
  リクルートの関連会社であり、未上場の不動産会社、
  リクルートコスモス社の未公開株が賄賂として譲渡された。
  贈賄側のリクルート社関係者と、収賄側の政治家や官僚らが逮捕され、
  政界・官界・マスコミを揺るがす、大スキャンダルとなった。
  当時、第二次世界大戦後の日本においての最大の企業犯罪であり、
  また贈収賄事件とされた。

  
  金丸信元自民党副総裁の巨額脱税
  東京国税局は、金丸の妻が死亡した際に受け取った遺産に着目、
  日本債券信用銀行(日債銀。現あおぞら銀行)の割引金融債「ワリシン」の一部が、
  税務申告されていないという事実を突き止めた。
  (日債銀内では、金丸を“蟷螂紳士”のコードネームで呼び、税務申告漏れに協力していた)
  1993年3月6日東京地方検察庁特別捜査部は金丸信と秘書を任意に呼び出して
  聴取を行い、同日相続税の脱税容疑で逮捕した。
  後に、自宅へ家宅捜索を行ったところ、数十億の不正蓄財が発覚する。
  捜索の中、時価1千万円相当の金の地金が発見された。

  
  大手銀行・証券会社による総会屋への利益供与
  1997年(平成9年)には、総会屋・小池隆一へ460億円にのぼる利益供与事件で、
  第一勧業銀行本店を東京地方検察庁特別捜査部に家宅捜索された。
  近藤克彦頭取は、1997年(平成9年)5月23日に「(総会屋側に)多額の融資を行った
  最大の要因は、(歴代最高幹部が親しかった)元出版社社長の依頼を断れなかったことで、
  社長の死後もその呪縛が解けず、関係を断ち切れなかった…」と記者会見で述べ退任、
  次期頭取と紹介された副頭取藤田一郎の「以前から不正融資を知っていた」と
  記者会見で告白し、一銀幹部も驚く爆弾発言となった。
  頭取経験者の11人に及ぶ逮捕や、宮崎邦次元会長の自殺という事態を引き起こし、
  更に調べ上げると、第一勧業銀行が1985年(昭和60年)から1996年(平成8年)まで、
  総会屋に提供した総額460億円にのぼる資金は、
  四大証券会社(山一證券・野村證券・日興証券・大和証券)を揺る資金元となり、
  銀行・証券界と監督当局との腐りきった関係を、
  白日の下に晒した大蔵省接待汚職事件、遂には大蔵省解体と帰結し、
  未曾有の経済疑獄となって、日本国民は信じがたい事実に、
  金融業界の断末魔を見ることになった。

  
  大蔵省汚職などの特殊重大事件を手がけた。
  1998年(平成10年)に発覚した大蔵省を舞台とした汚職事件である。
  大蔵省の職員らが銀行から接待を受けた際に、
  中国人女性が経営する東京都新宿区歌舞伎町のノーパンしゃぶしゃぶ店「楼蘭」を
  頻繁に使っていた事が発覚(店名の楼蘭は、新疆ウイグル自治区の地名)した事から
  ノーパンしゃぶしゃぶ事件とも言われている。
  官僚7人(大蔵省4人、大蔵省出身の証券取引等監視委員会の委員1人、日本銀行1人、
  大蔵省OBの公団理事)の逮捕・起訴に発展。
  起訴された官僚7人は、執行猶予付きの有罪判決が確定した。
  この責任を取り三塚博大蔵大臣と松下康雄日本銀行総裁が引責辞任し、
  財金分離と大蔵省解体の一つの要因となった。


  んで、。。。

  これまで断ってきたというテレビ出演をえて受けて登場した
  熊崎勝彦元東京地検特捜部長は『報道1930』で、堰を切ったように熱く語った。
  「定年延長」を後輩の黒川氏はどうすべきだったかと松原キャスターに問われると、
  「正道を行くべきだった」と答え、「これ以上は察して下さい」と答えた。


  「人間だからエラくなりたいって気持ちはありますよ。私はあまりエラくならなかったけど」 
  と、熊崎元特捜部長は語った。
  検察官部となって、63歳で定年という不文律が破られて、
  時の政権におもねるような検察幹部が出世するという制度になれば、
  検察捜査への信頼は地に堕ちる。
  危機感がにじみ出ていた。


  安倍政権にとって、与野党一致した「コロナとのたたかい」よりも、
  優先しなければならないのが「検察庁法改正」だ。
  「なぜ急ぐのか」には理由がある。
  官邸が検察首脳人事の首根っこを抑え、捜査権力をコントロールすることが実現すれば、
  怖いものはなくなる。公益に背く私的な「我利我欲」の突進だ。


  私は、松尾元検事総長以下、歴代検事総長とも法務省刑事局長在職当時、
  数々の論戦を交わしてきた。
  通信傍受法、監獄法、共謀罪とふりかえっても、彼らは「論理」に忠実であろうとして、
  見解は違えても議論はかみ合った。
  しかし、昨今の法務省の劣化はひどく、森大臣の答弁はまるで質問とかみ合わない。


  元東京地検特捜部長の熊崎勝彦さん、
  検察の厳正公平、不偏不党の伝統への矜持と、
  それがいま脅かされていることを顔真っ赤にしながらまくし立てておられた。
  今言っておかなければ!という激しい気概を感じて見てて涙ぐんでしまった。
  #報道1930  


  元東京地検特捜部長の熊崎勝彦さん、  
  「黒川氏の定年延長という話を聞いて、驚かなかった検察OBはいなかったんじゃないか。
  こんなことするとは思いもよらなかった」
  「今回の改正案は、黒川氏個人がどうといったレベルの話ではなく、
  根幹に触れることにまでいったんじゃないかと」


  報道1930で検察官の思いを熱く語った熊崎勝彦元東京地検特捜部長。
  「〜こんな根幹的な重要な問題について、基準を用意して国会で説明しなきゃ!
  こんな説明をしていたら検察官なんてやってられませんよ、本当の話!」
  流石に胸を打つ弁舌だった。



  最近の特捜部って意味あるんかってことまで思ってしまうわけだけど、
  政治家の悪党を糾弾・追及するのとは逆コースを歩んで、
  黒川が握りつぶしていたわけか、。。。
  トンんでもない奴だわな!




  当  ブ  ロ  グ  へ  の
  皆 様 の ご 支 援 に 感 謝 致 し ま す! あ り が と う ご ざ い ま す!






















  黒川検事長の定年延長閣議決定、今回の検察庁法改正案提出と続く一連の動きは、
  検察の組織を弱体化して時の政権の意のままに動く組織に改変させようとする動きであり、
  ロッキード世代として看過し得ないものである。
  関係者がこの検察庁法改正の問題を賢察され、内閣が潔くこの改正法案中、
  検察幹部の定年延長を認める規定は撤回することを期待し、
  あくまで維持するというのであれば、与党野党の境界を超えて多くの国会議員と法曹人、
  そして心ある国民すべてがこの検察庁法改正案に断固反対の声を上げてこれを
  阻止する行動に出ることを期待してやまない。

  泣 け て 来 る ね 、。。。




●朝日新聞 2020年5月15日 16時14分 (資料)
【意見書全文】首相は「朕は国家」のルイ14世を彷彿
https://www.asahi.com/articles/ASN5H4RTHN5HUTIL027.html

検察庁法改正案に反対する意見書を手に、法務省へ向かう松尾邦弘・元検事総長(右)と清水勇男・元最高検検事=2020年5月15日午後3時2分、東京都千代田区、林敏行撮影
 検察庁法改正に反対する松尾邦弘・元検事総長(77)ら検察OBが15日、法務省に提出した意見書の全文は次の通り。
    ◇
 東京高検検事長の定年延長についての元検察官有志による意見書

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●中国新聞 2020/5/15
元検事総長ら検察庁法改正案の反対意見書提出 「政権の意のまま、看過できず」
https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=643370&comment_sub_id=0&category_id=256

松尾邦弘元検事総長(77)ら検察OBは15日、政府の判断で検察官の定年延長を可能とする検察庁法改正案に対し、「検察を弱体化して時の政権の意のままに動く組織にしようとしており看過できない」と反対する森雅子法相宛ての意見書を法務省に提出した。提出後に東京・霞が関で記者会見した松尾氏は「特定の検察官の定年延長ありきだ。今までにないことで大変危惧している」と話した。
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●中国新聞 2020/5/15 (資料)
松尾元検事総長ら反対意見書全文 
https://www.chugoku-np.co.jp/mikeisai/article/article.php?comment_id=643368&comment_sub_id=0&category_id=465


松尾邦弘元検事総長ら検察OBが提出した反対意見書の全文は次の通り。
    
 東京高検検事長の定年延長についての元検察官有志による意見書


 1 東京高検検事長黒川弘務氏は、本年2月8日に定年の63歳に達し退官の予定であったが、直前の1月31日、その定年を8月7日まで半年間延長する閣議決定が行われ、同氏は定年を過ぎて今なお現職に止(とど)まっている。

 検察庁法によれば、定年は検事総長が65歳、その他の検察官は63歳とされており(同法22条)、定年延長を可能とする規定はない。従って検察官の定年を延長するためには検察庁法を改正するしかない。しかるに内閣は同法改正の手続きを経ずに閣議決定のみで黒川氏の定年延長を決定した。これは内閣が現検事総長稲田伸夫氏の後任として黒川氏を予定しており、そのために稲田氏を遅くとも総長の通例の在職期間である2年が終了する8月初旬までに勇退させてその後任に黒川氏を充てるための措置だというのがもっぱらの観測である。一説によると、本年4月20日に京都で開催される予定であった国連犯罪防止刑事司法会議で開催国を代表して稲田氏が開会の演説を行うことを花道として稲田氏が勇退し黒川氏が引き継ぐという筋書きであったが、新型コロナウイルスの流行を理由に会議が中止されたためにこの筋書きは消えたとも言われている。

 いずれにせよ、この閣議決定による黒川氏の定年延長は検察庁法に基づかないものであり、黒川氏の留任には法的根拠はない。この点については、日弁連会長以下全国35を超える弁護士会の会長が反対声明を出したが、内閣はこの閣議決定を撤回せず、黒川氏の定年を超えての留任という異常な状態が現在も続いている。

 2 一般の国家公務員については、一定の要件の下に定年延長が認められており(国家公務員法81条の3)、内閣はこれを根拠に黒川氏の定年延長を閣議決定したものであるが、検察庁法は国家公務員に対する通則である国家公務員法に対して特別法の関係にある。従って「特別法は一般法に優先する」との法理に従い、検察庁法に規定がないものについては通則としての国家公務員法が適用されるが、検察庁法に規定があるものについては同法が優先適用される。定年に関しては検察庁法に規定があるので、国家公務員法の定年関係規定は検察官には適用されない。これは従来の政府の見解でもあった。例えば昭和56年(1981年)4月28日、衆議院内閣委員会において所管の人事院事務総局斧任用局長は、「検察官には国家公務員法の定年延長規定は適用されない」旨明言しており、これに反する運用はこれまで1回も行われて来なかった。すなわちこの解釈と運用が定着している。

 検察官は起訴不起訴の決定権すなわち公訴権を独占し、併せて捜査権も有する。捜査権の範囲は広く、政財界の不正事犯も当然捜査の対象となる。捜査権をもつ公訴官としてその責任は広く重い。時の政権の圧力によって起訴に値する事件が不起訴とされたり、起訴に値しないような事件が起訴されるような事態が発生するようなことがあれば日本の刑事司法は適正公平という基本理念を失って崩壊することになりかねない。検察官の責務は極めて重大であり、検察官は自ら捜査によって収集した証拠等の資料に基づいて起訴すべき事件か否かを判定する役割を担っている。その意味で検察官は準司法官とも言われ、司法の前衛たる役割を担っていると言える。

 こうした検察官の責任の特殊性、重大性から一般の国家公務員を対象とした国家公務員法とは別に検察庁法という特別法を制定し、例えば検察官は検察官適格審査会によらなければその意に反して罷免(ひめん)されない(検察庁法23条)などの身分保障規定を設けている。検察官も一般の国家公務員であるから国家公務員法が適用されるというような皮相的な解釈は成り立たないのである。

 3 本年2月13日衆議院本会議で、安倍総理大臣は「検察官にも国家公務員法の適用があると従来の解釈を変更することにした」旨述べた。これは、本来国会の権限である法律改正の手続きを経ずに内閣による解釈だけで法律の解釈運用を変更したという宣言であって、フランスの絶対王制を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる「朕(ちん)は国家である」との中世の亡霊のような言葉を彷彿(ほうふつ)とさせるような姿勢であり、近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる。

 時代背景は異なるが17世紀の高名な政治思想家ジョン・ロックはその著「統治二論」(加藤節訳、岩波文庫)の中で「法が終わるところ、暴政が始まる」と警告している。心すべき言葉である。

 ところで仮に安倍総理の解釈のように国家公務員法による定年延長規定が検察官にも適用されると解釈しても、同法81条の3に規定する「その職員の職務の特殊性またはその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分の理由があるとき」という定年延長の要件に該当しないことは明らかである。

 加えて人事院規則11―8第7条には「勤務延長は、職員が定年退職をすべきこととなる場合において、次の各号の1に該当するときに行うことができる」として、/μ海高度の専門的な知識、熟練した技能または豊富な経験を必要とするものであるため後任を容易に得ることができないとき、勤務環境その他の勤務条件に特殊性があるため、その職員の退職により生ずる欠員を容易に補充することができず、業務の遂行に重大な障害が生ずるとき、6般海寮質上、その職員の退職による担当者の交替が当該業務の継続的遂行に重大な障害を生ずるとき、という場合を定年延長の要件に挙げている。

 これは要するに、余人をもって代えがたいということであって、現在であれば新型コロナウイルスの流行を収束させるために必死に調査研究を続けている専門家チームのリーダーで後継者がすぐには見付からないというような場合が想定される。

 現在、検察には黒川氏でなければ対応できないというほどの事案が係属しているのかどうか。引き合いに出されるゴーン被告逃亡事件についても黒川氏でなければ、言い換えれば後任の検事長では解決できないという特別な理由があるのであろうか。法律によって厳然と決められている役職定年を延長してまで検事長に留任させるべき法律上の要件に合致する理由は認め難い。

 4 4月16日、国家公務員の定年を60歳から65歳に段階的に引き上げる国家公務員法改正案と抱き合わせる形で検察官の定年も63歳から65歳に引き上げる検察庁法改正案が衆議院本会議で審議入りした。野党側が前記閣議決定の撤回を求めたのに対し菅義偉官房長官は必要なしと突っぱねて既に閣議決定した黒川氏の定年延長を維持する方針を示した。こうして同氏の定年延長問題の決着が着かないまま検察庁法改正案の審議が開始されたのである。

 この改正案中重要な問題点は、検事長を含む上級検察官の役職定年延長に関する改正についてである。すなわち同改正案には「内閣は(中略)年齢が63年に達した次長検事または検事長について、当該次長検事または検事長の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該次長検事または検事長を検事に任命することにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として内閣が定める事由があると認められるときは、当該次長検事または検事長が年齢63年に達した日の翌日から起算して1年を超えない範囲内で期限を定め、引き続き当該次長検事または検事長が年齢63年に達した日において占めていた官及び職を占めたまま勤務をさせることができる(後略)」と記載されている。

 難解な条文であるが、要するに次長検事および検事長は63歳の職務定年に達しても内閣が必要と認める一定の理由があれば1年以内の範囲で定年延長ができるということである。

 注意すべきは、この規定は内閣の裁量で次長検事および検事長の定年延長が可能とする内容であり、前記の閣僚会議によって黒川検事長の定年延長を決定した違法な決議を後追いで容認しようとするものである。これまで政界と検察との両者間には検察官の人事に政治は介入しないという確立した慣例があり、その慣例がきちんと守られてきた。これは「検察を政治の影響から切りはなすための知恵」とされている(元検事総長伊藤栄樹著「だまされる検事」)。検察庁法は、組織の長に事故があるときまたは欠けたときに備えて臨時職務代行の制度(同法13条)を設けており、定年延長によって対応することは毫(ごう)も想定していなかったし、これからも同様であろうと思われる。

 今回の法改正は、検察の人事に政治権力が介入することを正当化し、政権の意に沿わない検察の動きを封じ込め、検察の力を殺(そ)ぐことを意図していると考えられる。

 5 かつてロッキード世代と呼ばれる世代があったように思われる。ロッキード事件の捜査、公判に関与した検察官や検察事務官ばかりでなく、捜査、公判の推移に一喜一憂しつつ見守っていた多くの関係者、広くは国民大多数であった。

 振り返ると、昭和51年(1976年)2月5日、某紙夕刊1面トップに「ロッキード社がワイロ商法 エアバスにからみ48億円 児玉誉士夫氏に21億円 日本政府にも流れる」との記事が掲載され、翌日から新聞もテレビもロッキード関連の報道一色に塗りつぶされて日本列島は興奮の渦に巻き込まれた。

 当時特捜部にいた若手検事の間では、この降って湧いたような事件に対して、特捜部として必ず捜査に着手するという積極派や、着手すると言っても贈賄の被疑者は国外在住のロッキード社の幹部が中心だし、証拠もほとんど海外にある、いくら特捜部でも手が届かないのではないかという懐疑派、苦労して捜査しても造船疑獄事件のように指揮権発動でおしまいだという悲観派が入り乱れていた。

 事件の第一報が掲載されてから13日後の2月18日検察首脳会議が開かれ、席上、東京高検検事長の神谷尚男氏が「いまこの事件の疑惑解明に着手しなければ検察は今後20年間国民の信頼を失う」と発言したことが報道されるやロッキード世代は歓喜した。後日談だが事件終了後しばらくして若手検事何名かで神谷氏のご自宅にお邪魔したときにこの発言をされた時の神谷氏の心境を聞いた。「(八方塞がりの中で)進むも地獄、退くも地獄なら、進むしかないではないか」という答えであった。

 この神谷検事長の国民信頼発言でロッキード事件の方針が決定し、あとは田中角栄氏ら政財界の大物逮捕に至るご存じの展開となった。時の検事総長は布施健氏、法務大臣は稲葉修氏、法務事務次官は塩野宜慶(やすよし)(後に最高裁判事)、内閣総理大臣は三木武夫氏であった。

 特捜部が造船疑獄事件の時のように指揮権発動に怯(おび)えることなくのびのびと事件の解明に全力を傾注できたのは検察上層部の不退転の姿勢、それに国民の熱い支持と、捜査への政治的介入に抑制な政治家たちの存在であった。

 国会で捜査の進展状況や疑惑を持たれている政治家の名前を明らかにせよと迫る国会議員に対して捜査の秘密を楯(たて)に断固拒否し続けた安原美穂刑事局長の姿が思い出される。

 しかし検察の歴史には、捜査幹部が押収資料を改ざんするという天を仰ぎたくなるような恥ずべき事件もあった。後輩たちがこの事件がトラウマとなって弱体化し、きちんと育っていないのではないかという思いもある。それが今回のように政治権力につけ込まれる隙を与えてしまったのではないかとの懸念もある。検察は強い権力を持つ組織としてあくまで謙虚でなくてはならない。

 しかしながら、検察が萎縮して人事権まで政権側に握られ、起訴・不起訴の決定など公訴権の行使にまで掣肘(せいちゅう)を受けるようになったら検察は国民の信託に応えられない。

 正しいことが正しく行われる国家社会でなくてはならない。

 黒川検事長の定年延長閣議決定、今回の検察庁法改正案提出と続く一連の動きは、検察の組織を弱体化して時の政権の意のままに動く組織に改変させようとする動きであり、ロッキード世代として看過し得ないものである。関係者がこの検察庁法改正の問題を賢察され、内閣が潔くこの改正法案中、検察幹部の定年延長を認める規定は撤回することを期待し、あくまで維持するというのであれば、与党野党の境界を超えて多くの国会議員と法曹人、そして心ある国民すべてがこの検察庁法改正案に断固反対の声を上げてこれを阻止する行動に出ることを期待してやまない。

 【追記】この意見書は、本来は広く心ある元検察官多数に呼びかけて協議を重ねてまとめ上げるべきところ、既に問題の検察庁法一部改正法案が国会に提出され審議が開始されるという差し迫った状況下にあり、意見のとりまとめに当たる私(清水勇男)は既に85歳の高齢に加えて疾病により身体の自由を大きく失っている事情にあることから思うに任せず、やむなくごく少数の親しい先輩知友のみに呼びかけて起案したものであり、更に広く呼びかければ賛同者も多く参集し連名者も多岐に上るものと確実に予想されるので、残念の極みであるが、上記のような事情を了とせられ、意のあるところをなにとぞお酌み取り頂きたい。

 令和2年5月15日

 元仙台高検検事長・平田胤明(たねあき)
 元法務省官房長・堀田力
 元東京高検検事長・村山弘義
 元大阪高検検事長・杉原弘泰
 元最高検検事・土屋守
 同・清水勇男
 同・久保裕
 同・五十嵐紀男
 元検事総長・松尾邦弘
 元最高検公判部長・本江威憙(ほんごうたけよし)
 元最高検検事・町田幸雄
 同・池田茂穂
 同・加藤康栄
 同・吉田博視

 (本意見書とりまとめ担当・文責)清水勇男

 法務大臣 森まさこ殿



  お弟子さんに書かせられた文章かどうかわかりませんが、
  最後はご自身で推敲を重ねられたと思いますのでね。
  元最高検検事まで勤め上げられた方だなって思いますね。
  文章が読みやすくて問題点も理路整然として一寸の隙もない。
  
  お見事!!!

  こういう文章が書ける人が羨ましいです、。。。

  問題は、
  この文章を、アホアベに読めるのか?って心配もあるし、
  意味を理解する能力があるとはとてもとても思えない、。。。
  私もアホだけで、アベには負けるもんwww






●東京新聞 2020年5月14日 14時14分 (資料)
<#ウォッチ 検察庁法改正案>元検事総長ら定年延長反対 意見書あす法務省に提出
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020051490135042.html


 検察官の定年を引き上げる検察庁法改正案に対し、松尾邦弘元検事総長(77)ら検察OB十数人が十五日、反対する意見書を法務省に提出することが分かった。検察の元トップが法務省提出の法案に対し、公然と異を唱えるのは異例だ。 (池田悌一)

 意見書に名を連ねるのは、主にロッキード事件の捜査に関わった元検事ら。同事件では東京地検特捜部が、田中角栄元首相ら複数の政治家を逮捕・起訴した。

 松尾氏は、同事件に特捜部検事として携わった。その後、法務省の刑事局長や事務次官、東京高検検事長を歴任し、二〇〇四年から二年間、検事総長を務めた。

 検察庁法改正案では、六十三歳になると地検検事正や高検検事長、最高検次長検事の幹部ポストを退かなければいけない「役職定年」を新設。その一方で、内閣や法相が続投すべきだと判断すれば、役職定年を最大三年間延長できる特例も盛り込まれた。

 安倍内閣は改正案提出前の今年一月、法解釈を変更し、政権に近いとされる黒川弘務・東京高検検事長(63)の定年を半年延長する閣議決定をしている。改正案は黒川氏の定年延長を「事後に正当化しようとしている」との批判があり、会員制交流サイト(SNS)のツイッターでは、「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグ(検索目印)を付けた投稿が相次いでいる。

 検察庁内にも「政権が幹部人事に介入できるようになれば、政権を意識して捜査に当たるのではないかと疑念を持たれかねない」と懸念する声がある。
(東京新聞)



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